おふろ



「それじゃちゃん、君の仕事だけど」
「はい、夜神さん」
「ライトでいいよ。皆そう呼んでる」
 そう言ってライトは微笑んだ。あまりのカッコよさに、思わずよろけそうになる。
 は、このセキュリティ厳しい謎の建物で、今日からアルバイトを始めることにした。
 雇い主は、ここにいる超絶美形のライトさん。・・・と、
 じゃらり。
「仕事の内容は大したことではありませんが、実際にやってもらうのが一番でしょう」
 猫背で、ちょっと変わった風貌だけど、丁寧口調の竜崎さん。
 ふたりは、長い鎖のついた手錠によって繋がれている。
 ここでのことは決して口外せず、詮索してもいけないというのが採用の条件だったので、何も聞けないのだが・・・。二人の男が手錠で手首を繋ぎ、普通に会話したり行動しているというのは、かなり奇怪な光景だった。
「ではさん、15分ほどしたら、バスルームに来てください」
「えっ、おふろ・・・ですか?」
「そう。待ってるよ」
 月とLは、きょとんとしているを置いて、一足先におふろへ向かった。
「どうですか? ライトくん」
「うん・・・あの子なら、楽しめそうだ」
 ニヤリと笑い合ったことを、は知らない。

(おふろでの仕事って、何だろ。洗濯かな。も、もしかして、体洗うの手伝うとか?)
 しかしあの鎖の長さからすると、ひとりで体が洗えない不自由さがあるとは思えない。
(背中を流すとか・・・)
 それくらいでわざわざアルバイトなんて雇うだろうか。
 皆目見当がつかないまま、はバスルームの前にいた。そろそろ、言われた時間になる。
 そーっとドアを開けると、脱衣所に衣服が畳んで置かれてある。すりガラスの向こうからは水音などが聞こえていた。
(ふ、普通におふろに入ってる?)
 男性二人がおふろに入っているところで、一体何の仕事を・・・?
 しかしバイト代は欲しいので、は意を決し、脱衣所から中に声をかけた。
「あのっ、です」
『あ、入ってー』
 ライトの声だ。しかし入ってと言われても・・・。
「しっ失礼します・・・」
 すりガラスの戸を細く開ける。
 中は結構な広さのおふろ場で、ライトは泡を立てて体を洗い、竜崎は湯船のへりに座っていた。
 腰にタオルの一枚も巻かないで。
「・・・!!」
 うら若い乙女には刺激が強すぎる。思わずは戸をぴしゃり閉めてしまった。
「どうしたんですか、さん」
 すぐに中から開けられ、腕を引かれる。そのままズルズルとおふろ場へ引っ張り込まれ、は思い切り顔を逸らすくらいが精一杯だった。
「仕事だよ、仕事」
 流し終えたライトも近づいてきて、竜崎の隣に立った。
「服を脱いでもらった方が面倒なくていいんですが・・・初日ですし無理でしょうね」
「なっなっ何を・・・仕事って・・・」
 目のやり場に困っているが可愛くて、月は思わずくすりと笑いをこぼした。
ちゃんにね、僕たちのお相手をお願いしたいのさ」
「お相手・・・」
「分かりませんか?」
 どうにか逸らしていた顔に手を添えられ、強引に前を向かされる。そのまま竜崎に、唇を奪われた。
「−−−!?」
 抵抗するいとまもない。後ろに回った月に、両手を封じられて。
 竜崎の巧すぎるキスに、力を全部、吸い取られてしまう。

「こんな状態だからさ」
 濡れた床にぺたりと座り込んだに、じゃらり、手首の手錠を示して見せる。
「プライバシーがないのも同然なんだよね」
 じゃら。もう片方。
「察してもらえると思いますが、男としてはなかなか辛いところがありまして。月くんと相談して、決めたんですよ」
 下を向いたままのに、Lはシャワーを向けた。頭からお湯を浴びせてやると、びくっと肩が震える。
「人が話しているんですから、顔くらい上げてくださいね」
 言葉は慇懃だがぴしりと言い放ち、あごに手をかけ上向かせた。雫が、髪から頬からぽろぽろと、をセクシーに彩っている。
「あーあ竜崎ひどいな。服もびしょ濡れじゃないか」
 月が屈み込み、お湯をかぶって色の変わったカットソーに手をかけた。
「脱いじゃおうか」
「・・・!」
 とっさに声も出せない。胸元を両腕でかばうようにして身をよじることで、抵抗の意思を示すのが精一杯だった。
 彼らが何を求めているのか、今から何をされようとしているのか。ここまで来て分からないようなおぼこじゃない。
 こめかみが激しく脈打っている。湯気と熱気にあてられて・・・。
「ほら」
「いっいや・・・これが仕事だっていうなら、このバイトの話、なかったことに・・・」
 正攻法が通じるかどうか。
 果たして竜崎は、納得するどころかいきなり胸元に片手を突っ込んできた。
「一度試してから決めてもいいじゃないですか。このバイトをやるか、やめるか」
 カップの中にまで指を伸ばし、すぐに頂をさぐり当てると、親指とひとさし指で軽くつまんでやる。
「気持ち良くしてあげますよ?」
 そのままくりくりと弄ぶと、の全身が震えた。
「そうだよ、ちゃん」
 ライトの整った顔が、間近に・・・。
ちゃんも楽しめばいい」
 何か言おうとする唇を、ふさがれた。
 竜崎に乳首をいじられながら、月の濃厚なキスを受ける。
 思ってもみない展開に、思考も体もついていかない。
 パニックのただ中、ぐるんと、天井が目に入った。竜崎の顔が逆さまに見える。
 おふろの床に横たえられ、両手を押さえつけられたのだと理解したときには、もう月がのしかかってきていた。
「そんなに怖がることはない。ひどいことしないから」
 濡れ髪をかきやり、またキスをあげる。
「わっ私・・・」
 離した唇から、ずい分艶っぽくなった声がこぼれた。
「付き合っている人、いるんです・・・」
「知ってますよ」
 頭の上で、Lが何でもないふうに応じる。
「友達の紹介で付き合い始めた、あなたにとっては初めての彼氏。でも、今は惰性で付き合っているだけ」
「・・・!?」
 ズキンとした。なぜ、知って・・・。
「あなたのことは調べさせてもらいました」
 事務的に言い放つLの無表情に見入っていて、気付いたら月の手により着衣は相当乱されていた。
「彼氏なんて言いながらも、体だけっていうんだろ。それなら僕たちの方がずっといい」
 月の整った顔立ちに、浮かぶ微笑み。その目に、ゾクリとする。
 くもの糸にからめ取られたことを、体が先に察知したのだった。
「私のことを・・・そんなことまで、調べて・・・」
 確かに、彼とは終わりが見えていた。自覚もあった。けれど。
「処女はさすがに可哀想ですし、慣れすぎていても楽しみが減ってしまいます」
 上体を折りたたむようにして、Lは胸元に唇をつけた。月によって服が開かれ、今Lが下着すらも取り去ってしまったのだ。
 二人の男の前に、自分の肌が晒されている・・・しかもおふろの煌々とした照明の下で・・・現状が恥ずかしくて仕方なくて、身もだえするも、両手を押さえつけられていては逃げ出すなんて到底叶わず・・・。
「・・・ひっ!」
 とうとう下身に月の指がじかに触れ、は悲鳴に似た声をあげた。おふろで鋭く反響する。
 今日初めて会った男たちに、意志も無視され好き勝手に弄ばれている。逃げ出せない。恐れ、絶望的になる。
「これって・・・強姦じゃないの・・・ひどい・・・!」
 ヒステリックな訴えには涙がからんでいた。
「違いますよさん」
 Lの吐息が、熱く肌の上に広がる。波紋のように。
「あなたのことは、一人の女性として大切に扱うつもりです」
 そしてまた、執拗なほど感じる部分を舐め続けられ。
「そうさ。君のいやがることはしないし、感じさせてあげるから」
 体の中心を、月の指がくちゅくちゅとかき回す。
「や・・・あ、あっ」
 男をまだ一人しか知らないの体に、二人の器用な責めは刺激的で、
「ああ・・」
 目覚めさせられる。
「いいんだよ。僕たちを信用して、自分を解放すればいい」
 熱を持つ泉に指を埋め込むと、きゅっと締め付けてくる。その反応に軽く笑い、ゆっくりと動きを加えてやった。
のココ・・・、キレイだけど、やらしいよね」
「私も見たいです、ライトくん」
 Lはいましめていた手を離したが、今や息を荒げ絶え絶えのあえぎを漏らしているに、逃げようという気は残っていない。
 月の側に回り、共に覗き込む。
「本当にキレイです。月くんの指を、しっかりのみこんじゃってますね」
 そして自分の口にくわえていたひとさし指を、の秘所へと追加した。
「やっ・・・」
 濡れたところを更に広げられ、まだ捨てきれない理性と性感のはざまで頭を振る。ふろ場の熱気に、クラクラした。
「締め付けてきます。温かくて、ざらざらしていて・・・」
 くい、と壁を押すようにすると、また声がこぼれた。
「この中、気持ち良さそうですね」
 これからのことを想像しつつ、指を抜く。ぺろり舐め、本来なら舌に馴染まない味にすら満足した。
「ああ、良さそうだ。・・・いいか竜崎?」
「ええどうぞ。私は、こちらで」
 Lはの横に座り、の顔を向けさせると、その可愛い口元に硬くなった自身をあてがった。
「してください、さん」
「・・・・」
 ぼうっとするのは、のぼせたせいなのか・・・。は素直に口を開け、竜崎を咥えた。
「じゃ僕も」
 脚を押さえつけ、月はの体に入り込む。
「・・・ん、ぐ・・・」
「噛まないでくださいね」
「んん・・・」
 動こうとする頭を押さえつけ、更なる奉仕を要求する。
「・・・いいよ、
 短いストロークで動くと、ぐちゅ、ぐちゅ・・・卑猥な音がおふろ中に響いた。
「んっ・・・んっ」
 上にも下にも男をねじ込まれて、はや意識は飛んでしまっている。
 しかし月の動きはそのままLへの刺激にも繋がり、の体は二人を快楽の高みへ導く役目を見事に果たしていた。
「あぁ上手ですよさん。やはりあなたを選んで正解でしたね」
「うん・・・最高だ・・・」
 月の本能が頭をもたげ、どんどん激しく突き上げて。
 苦しい・・・声を出せない。
 不自由で、狂いそうで。
 でも・・・。
(イイ・・・私、すっごい感じちゃってる・・・!!)
 今までにない量のジュースが、後から後からわき出ているのが分かる。
 Lが空いた手で愛撫してくれている乳首や陰核が・・・月をしっかり咥え込んでいる体が・・・Lを飲み込んでいる口が・・・。
 全身で、感じてしまって。
(ダメ・・・っ、もう・・・)
「二人とも、イキそうですね。存分にどうぞ」
 Lはそう呟くと、の口から離れた。ちゃらりと音が鳴る。
 とたん、嬌声が響き渡った。
「あ・・・ああー」
 甘いエコーを伴って。
「いいの・・・? 
「うっうん、いい・・・ライト・・・いっちゃう・・・」
 自分の声なのに、別人のように聞こえる。おふろという特殊な空間が、から羞恥を取り去った。
「僕もだよ、・・・っ」
 うめくと、月はのピンクに色づいた肌の上に、勢いよく放射した。
「あ・・・」
 脱力したに、Lが温かなシャワーをかけ、洗い流してやる。
「おふろだと、きれいにするのも簡単でいいですね」
 床に座り込んで、息を整えている月を一瞥してから、の顔を覗き込む。うっすら開いた眼の貪欲な艶っぽさに、Lは単純に嬉しくなった。
「思った以上です」
 ずぶ濡れの服の残骸から、の身体を解放してやり、腕に抱くと口づける。
「これから色々開発して楽しめそうですね。・・・オモチャとか、クスリとか・・・」
 この柔肌を縛り上げてみるのも良さそうだ・・・想像をめぐらせながら、体中を愛撫する。耳元の吐息を心地よく聞きながら。
「竜崎はやっぱり変態なんだな。ミサの言っていた通りだ」
 一応の落ち着きを得た月が、こちらを見ている。好奇心と期待は隠しようもないが、その声は揶揄じみていた。
「大人の楽しみ方を知っていると言ってほしいですね」
 悪びれもしない。Lはをかかえると、いきなり挿入した。
「あ・・・ああんッ」
 今や思いのまま声を上げよがるを、揺すぶるようにしながら、快感を与えてゆく。
「このバイト、気に入ってもらえたようですから、住み込みでお願いしましょう」
「あ・・・あん・・・」
 骨ばっていてびっくりするほど細い竜崎の体を感じながら、はこくこくと何度も頷いていた。
「見ているだけじゃやっぱり我慢できない」
 いつの間にか月も近くに来て、後ろからの胸を揉みしだく。すでに復活している熱を、背中に押し当てるように接近した。
「次はまた僕のを入れさせて・・・」
 おふろでの秘め事は、まだまだ続く・・・。



                                                             END



       ・あとがき・

月とLのダブルキャラ、エロエロで。
月を書いたのは初めてです。
エロエロな小説でも、私はあまり露骨には書かないようにしているんですが、今回はいつもより少しだけ露骨にしてみました。

しかしどんなおふろなんでしょうね。温泉地のおふろみたいなのを想像して書いたのですが。
どうですかちゃん、こんなバイトは?



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