アクア
「アクア・・・」
「ん・・・」
外は雨。窓ガラスが濡れ曇って、この部屋は水槽の中みたい。
そう、水槽の中で溺れている。
「あ・・・っ・・」
ふたりで、溺れている・・・。
「もう、許して・・・ルーザー兄様・・・」
「まだだよ、アクア」
「がまんできないの・・・」
吐息混じりの囁きも、水でしっとりうるおって。実の兄の愛撫には罪のかけらもなく、そこにあるのは全てを奪い去る無上の快楽だけで。
「ルーザー兄様のが、欲しいの」
じらされて高められて、もうダメになる。ベッドの中で手を伸ばし、兄の首にからめた。
「ねえったら・・・」
求める妹に口づけをあげる。青い瞳を見つめ、ルーザーは少し笑った。
「いつからこんなに淫らな子になったんだい、アクアは。こんないやらしい体をした15才の女の子なんて、他にいないよ?」
触れる。すぐにぴくんと反応する敏感な体をからかうと、首を左右に振っていやいやをした。
「・・・いじわる。兄様たちのせいなのに」
「そう?」
枕に広がる金の髪に指をからめる。一族の同じ髪と眼。欲しがるその瞳はうるんでいた。
「早く・・・」
「仕方がないな。・・・じゃあ、あげるよ」
脚を開かせ、そのまま進み入る。中で感じて、声を上げた。
「ああ・・・っ、気持ちいい・・・にいさま・・・っ」
「・・・アクア・・・」
強くしがみつく。二人の白い肌が吸いつくように密着した。
動いてますます高まって、声と淫靡な音だけが反響する中で、からみ合う。
「いっちゃうよ、ルーザー兄様・・・ああん、アクア、いっちゃう・・・」
「ぼくも・・・アクア・・・」
ルーザーの声が苦しげに揺れ、熱をそのまま解き放つ。同時にアクアも気をやった。
雨音を聞きながら、兄の胸で少しだけ眠った。心地よい場所でうとうとしていた。
「起きるかい」
「うん・・・」
後始末をして、ベッドから起き上がる。まだ体の芯に残っている熱がくすぶっていた。
「すっごい、よかった!」
両腕を広げてじゃれるように抱きつくと、ルーザーも抱き返してくれる。
「そうだね。今度もっとよくなる薬でも使ってみる?」
「そんなのあるの?」
「作ってあげるよ、ぼくのかわいいアクアのために」
いたずらっぽく片目をつぶってみせて、たくさんキスをくれた。
薬を使うってどんなだろう。もっと気持ちがよくなるのかしら? 次回への期待に胸が高鳴る。この兄はいつもいろいろな手段でもって、最高の快楽へと導いてくれるので好きだった。
「ここで一緒に夕食を食べていくよね」
「うん、そうするわ」
ここはルーザーの部屋だった。夕飯前にどうしても体がうずいて、ドアをノックしたのはアクアの方だ。彼女にとってセックスはおやつや遊びと同じだったので。
「シャワー浴びておいで」
「はあい」
隣に簡単なシャワールームがある。ざっと浴びると、ストライプのミニワンピースに着替えた。長いストレートの髪はポニーテールに結い上げる。
かなりの美人ではあるが、どこからどう見ても15才の女の子。さっき実兄と裸であんなふうに交わっていたなんて信じられないくらい、まだ子供のあどけなさがあった。
「わーい、ハンバーグだ!」
「よくかんで食べるんだよ」
ベッドを離れると二人はごく普通の兄妹に過ぎなかった。
お腹もいっぱいになって、夜はどうしようかと思案しながらアクアは廊下を歩いていた。途中で何人かのガンマ団員とすれ違うが、皆軽く会釈して通り過ぎる。総帥の妹として礼を尽くされているのだ。
「おい、アクア」
背後から呼ばれてびくっと振り返る。黒いタンクトップに金の逆立つ髪を無造作に束ねた格好で、三番目の兄が憮然とそこにいた。
「ハーレム兄様・・・」
無意識に身構えてしまう。
「もう風呂に入ったのか?」
「う、うん」
腰を折って、ハーレムは妹の顔に顔を近付ける。こんなところでキスをする気なのかとアクアは避けようとしたが、そうではなかった。
「ルーザー兄貴のシャンプーだな」
匂いをかいでいたらしい。
「またアイツとやってきたのか」
「ハーレム兄様!」
何故かこの兄はルーザーを嫌っている。あんなに優しい次兄をなぜこれほどまで疎んでいるのか、アクアには理解ができないし、そのため少しハーレムのことが苦手だった。
「来いよ」
強く腕を引いて、手近なドアを開ける。ほとんど無理やり妹を連れ込むと、ドアを閉めた。物置に使っている部屋は人の出入りもあまりなく、カビっぽい臭いがかすかに鼻をついた。
「いやよ、ハーレム兄様」
何をする気なのか、分かりすぎるくらい分かっている。アクアは口をとがらせた。
「いやってことはねえだろ。パンツ脱げよ」
自分で脱がなければ力ずくで押さえつけられ、脱がされるのがオチだ。アクアは諦めて言われる通りにした。下着だけ取って、ワンピースのポケットに突っ込む。スースーして変な感じだ。
「素直でいい子だねぇ。んじゃそこのドアに手ぇつきな」
黙って背を向け、ドアに両手をつく。背後でかちゃかちゃベルトを外す音が聞こえた。
耳元に荒い息がかかる。スカートをめくり上げられたと思うと、いきなり兄は自分のものを押しつけてきた。
「・・やっ!」
手で口をふさがれる。
「大きな声を出すな。廊下に聞こえるぞ」
「・・・・」
この廊下は割と人通りが多い。確かに大声を出せば人に気付かれてしまうだろう。兄と交わることは何ともなくても、それを人に見られるのはやはり恥ずかしいことだった。
「いやっ、無理にしないでハーレム兄様」
乾いている入り口にぐいぐいねじ込もうとしている。アクアはどうにか声を押し殺した。
「痛いよ、壊れちゃうよ」
「壊れるわけねえだろ、すぐくわえ込むさ」
「兄様、痛い・・・」
いつもこうだ。三番目の兄はこうしていつも乱暴に扱い、わざと人に見られそうなところで迫ってくる。
「どうしてこんなふうにするの・・・」
「おまえが望むからだよ。本当は好きなんだろ、こういうのが」
「・・・・」
何も言えなくなる。そうかもしれない。いやだと言いながら、結局いつもと違う興奮に身を任せてしまうのだ。
そう自覚したとき、じん、と熱いものが体の中心から全身に広がり、今まで拒んでいたハーレムをいともたやすく受け入れた。染み出す液体が潤滑油となる。
「・・あ・・・」
「ほら、入った・・・」
ぐっ、と腰を押さえつけ、奥の奥まで突き上げる。貫かれる快感に全身はしびれ、頭の中が白く塗り替えられてゆく・・・。
「ああ・・っ・・・!」
「声を出すなって・・」
そう言われても、流されそうな中で声を殺すのは難しい。しかし声を出せない不自由さがますます炎を燃え上がらせる。
ハーレムも後ろから激しく突き上げる。
「んん・・・いいっ・・・」
「いいだろ・・・? ルーザー兄貴よりずっとよくしてやるよ」
熱い。囁きも吐息も、自分の中にある兄も。何もかもが熱い・・・!
「ああ・・・!」
金属のドアに爪を立てる。身をのけぞらせる。足ががくがく震えた。もう立ってなんていられない。
「ハーレム兄様・・・!」
背中にのしかかるハーレムの身体も震えた。うっ、と短くうめき、中に放出する。いっきに脱力して、二人とも座り込んでしまった。
「・・・きれいにしてくれよ」
息を整えると、アクアの頭を押さえ込んでくわえさせる。使い終えたばかりのそれは、まだ硬く大きくてびくびくいっていた。言われるまま右手を添え、丁寧に舐めてあげる。白い液体の残りをすすり取り、きれいにした。
「また、やりたくなっちまうな」
笑って身を起こし、妹に覆いかぶさる。ワンピースをずり上げて乳房を鷲掴みにした。
「あんっ」
「まだガキのくせに」
きつい光の宿る兄の瞳を見上げる。
「兄様と二つしか違わないわ」
「ナマイキなことを言うな」
乳首に爪を立ててやる。痛い、とアクアは顔をしかめた。
「乱暴にしちゃいや」
「本当は嬉しいくせに。乱暴にされるとサービスのところに甘えに行けるだろ。『いじめられたー』って、泣きながらな」
くくくっ。笑いながら体を起こす。
「もう一回やろう。それも脱いで、四つんばいになれ」
「・・・」
「返事は?」
「・・・はい」
もはや逆らう気力もない。無駄なことは分かっているし、何よりそれを欲しがっている自分がいる。
服を脱ぎ捨てると、床に両手と膝をついた。そのままの格好で再びハーレムを受け入れる。
「獣みたいだ、アクア。かわいいお前も、そこいらの犬っころと一緒だな」
「・・・にいさまの、ばかっ・・・」
言葉の責めも今は波を加速させる手伝いにしかならない。
「ああ・・」
小部屋に押し殺したうめき声が響いていた。
ベッドへ潜り込み、アクアはすぐ上の兄の体に触れた。サービスは優しく抱き寄せてくれる。
「アクア、またハーレムにいじめられたの?」
「うん。ハーレム兄様ったらひどいの。人に聞こえそうなところで、乱暴にするんだもん・・・」
サービスは少し体温が低い。ほてった身体には心地よかった。
「体は大丈夫なのかい」
「うん・・・」
「そう・・・。ゆっくりおやすみ」
ぽんぽん、軽く背を叩いて眠りに誘う。この兄だけは、自分から手を出すことをしなかった。サービスと体を繋げるのは、アクアが求めたときに限られていた。
目を閉じる。眠りの海に身を投げだす。
雨はまだ降り続いていた。
「・・・アクア?」
刺激に目が覚める。もう部屋の中は明るい。雨は止んで日が射していた。朝か。
「サービス兄様、おはよう」
アクアは手でサービスに触れていたが、兄が目覚めたのを知ると微笑んだ。
「気持ちよくしてあげる」
今度は口に含む。刺激を得たそれはみるみる硬くなって、アクアの口をいっぱいにした。
「・・・おいしい」
「・・あ・・・」
サービスの口から吐息が洩れる。それはなまめかしく。
ますますアクアは張り切って、持っている技を全て駆使し兄を頂点まで押し上げようとした。感じるところなら知っている。そこを重点的に攻めると、身をよじらせてよがってくれる。
「気持ちいい?」
「気持ちいいよ、アクア・・・。もう、ぼく・・・」
「いいよ、出して・・・」
「ああ・・・!」
勢いよく出る熱い液体を、残らず受け飲み干す。大好きな兄のものなら何の抵抗もなかった。
軽く目を閉じて息を整えているサービス。きれいな顔にはうっすらと汗がにじんでいた。
しばらく見とれていたら、兄も目を開けた。そっと体をずらして、自分の胸をサービスの顔の前に突き出す。
「サービス兄様」
黙って含み、舐める。硬くなった乳頭を軽くかむ。胸もかなり感じるアクアはそれだけで声を上げ悦んだ。
「いい・・・。すっごい、いい」
体をまたぐようにして、濡れたところをあてがうと、もう兄は復活していた。さっきと同じくらい大きくなっているのが分かる。上体を起こすとそのままサービスを中に迎え入れて、アクアは自分で動いた。最初はゆっくりと、そのうちじらせなくなって加速する。そのたびにいやらしい音が二人の官能を高めた。
「・・はあ・・・」
「あ・・っ」
喘ぎも絡んで、ほどけなくなる。サービスも手伝い、ますます動きは激しくなる。一気に昇り詰めるように。
「ああ・・・っ!!」
二人同時に、果てるように・・・。
「アクアマリン」
名を略さずに呼んで、一番上の兄は妹のパジャマをはだけさせた。
「夕べはどこで寝ていたのかな・・・?」
いつもはこうして長兄と一緒に寝ているが、たまに別のところへお泊まりすることがあった。
マジックは責めているわけではない。どこで誰と寝るのも妹の自由にさせていた。
「サービス兄様のところよ、マジック兄様」
「そうか。アクアは兄さんたちのうちで、誰が一番好きなんだい?」
キスをする。服を脱がすと、あらわになった胸を大きなてのひらで包み込んだ。
「そんな困らせるようなこと、言わないで」
「そうだね、ごめんごめん」
笑いながらキスをする。どこと言わず全身にキスの雨を降らす。
「・・・でも、お前に教えたのは、私だよ・・・」
「うん」
母が亡くなってから悲しくて寂しくて、アクアは独り寝ができなくなった。そこでマジックと一緒に寝るようになったのだが、ある日寝ぼけながら握った兄のそこが変化したことに驚いた。
それを機に、マジックは手でするテクニックを教え込む。やがて口にもくわえさせ、アクアがこつを覚えていかせてくれるようになるまでそう時間はかからなかった。
そしてとうとうある日、マジックは末の妹の体を奪った・・・。
夜な夜な繰り返される背徳の行為。それでも罪悪感はなかった。全てのやり方を仕込んでも、マジックはアクアに罪の意識だけは教えなかったから。
いずれそれは弟たちも知ることとなり、暗黙のうち今のような関係になったのだった。
「そうだアクア、自分でしてみせてごらん」
不意に体を離し、マジックはそう促した。きょとんとするアクアの体を支えて起き上がらせ、壁に背をもたせかける。
「そのまま脚を開いて。私におまえの大事なところが良く見えるように」
リモコンを操作し、照明をつける。眩しそうに顔をしかめ、それからアクアは頬を染めた。
「そんなの、恥ずかしいわ」
「恥ずかしいのがよくなるんだよ。ほら、脚を広げて・・・」
結局は逆らえない。壁に背をつけたまま、膝を曲げ股を開いた。恥ずかしさに心臓の音が大きくなる。
「よく見えるよ。いやらしい色をしている」
「いや、あんまり見ないで、マジック兄様」
「何を言っているんだい。こんなに濡らして」
指を伸ばして、そこに触れた。熱い液がからみつき、糸を引く。
「あ・・ん。兄様、してよ・・・」
「自分でするんだ」
「・・いや・・・」
とはいえ、ほてってくる体を鎮める手だては他にない。観念してそこに手を伸ばした。
「ちゃんと手で広げて・・・」
「・・・・」
自分で熱く滴るところに触れる。それだけで全身に甘い電気が走り、自然に声が出た。
「ん・・ああっ・・・」
見られているという意識がますます気持ちよくさせる。からみつく視線は間接的な刺激となってアクアを導くのだった。
「恥ずかしいよぉ・・マジック兄様・・・あ・・」
そう言う声も徐々に大きくなる。指の動きも激しくなって、自分で到達しようとしている。
人工的な明かりの中でくねる白い肢体と汗を宿してきらめき乱れる金の髪。まるで芸術品を観賞するように、長兄は目を細めて見ていた。
「母さんに似てきたな、このごろ・・・」
雲の上の妹に、つぶやきの声は聞こえないだろう。
最後にひときわ大きな声をあげ、アクアは一人で果てへと行き着いた。
その後一度体を重ね、すっかり満足げに眠りに入った妹を見つめる。マジックの眼は愛しさで満ちていた。
お気に入りのネコ柄のパジャマに身を包んで大きな枕に頭を埋めている。寝顔も無邪気な、本当に可愛い妹だった。
愛し方を間違えているとは思わない。ゆえに後ろめたさもなかった。これ以上の愛情表現があるだろうか?
「おやすみ。私のかわいいアクアマリン」
頬に軽いキスを。そしてマジックも隣に身を横たえる。
また降り始めたのか、雨音がしとしと兄妹の寝室を包み込んでいた。
−おわり−
・あとがき・
「何これーッツ!?」って、言わないで。「許せなーいッツ!!」って、怒らないで。
ま、この裏ページに来ている方ならそんなこと言わないだろうと信じていますけど・・・。
苦情も文句も一切受け付けないですよ、私は(強気)。
ただのお遊びですよ。
これは私の中にある毒なんです。
もともとほのぼのハッピーエンドが大好きでそんなのばっかり書いている私だけど、やっぱりその一方で毒がたまっちゃうらしくて。
たまに出してあげなきゃいけないみたいなんですよ。ほんのたまにでいいんだけど。
そう、たまにエッチ系を書きたくなる(笑)。これが毒。
パプワ系で言えば「罪深く愛してよ」にエッチなシーンがあって、読んだ方にびっくりされてしまったみたいだけど、私は何とも思わないであれは載せちゃったんですよ。だからびっくりされたことにびっくりした(笑)。
だって「罪深く愛してよ」はちゃんと理由があったんだもの。ルーザーがナナのことを好きだから全部欲しいと思ったとか、夫婦だから夜の生活があるとかそういうれっきとした理由。
だから自分としては普通で、抵抗がなかった。まあ何にも表示しないで、年若い方の目に触れさせてしまったことについては反省していますけれど。
そうじゃなくてめちゃくちゃなストーリーで「本当だったらヤバイだろう」ってのを書きたくなるんですね。「快楽の部屋」もそうでしたね。
遊びたくなっちゃうの。たまに。
でもどぎつい言葉を使うとか、そのまま表現しちゃうとか、あとスカトロ系とかSMは苦手。
四兄弟の妹というのは、ちょっと前からぼんやり考えていました。でも今更出せないなあ、と思っていたのでこの異常な世界の住人というだけにしておきます。
名前はまた宝石から。ダイアとかコーラルとかシトリンとかクォーツとかいろいろ考えたんだけど、結局アクアマリンにしました。アクアは水。水ってエッチっぽいからぴったり(!?)。
彼女にとっての兄弟の役割というのも考えてみたつもり。
長男のマジックは彼女にそれを教えた張本人で、まあホームグランドみたいなもの。普段いつもいる場所ですね。やっぱり彼女にとってはマジックのそばが一番心地いいらしい。
ルーザーは技巧派(?)。いろいろ試して気持ちよくさせてくれる人。
ハーレムは「優しいだけじゃなくてたまには乱暴にされたい」という彼女の自分ですら気がつかない欲望を見抜き、わざとそうやって満たしてくれている。表面上苦手だと思っていても、やっぱり必要としているのね。
サービスはオアシス(笑)。精神的な面でも休ませてもらえる場所。
こんな感じかな?
このネタではまた書けそうですね。ルーザーの薬とか。遡って、マジックがアクアに仕込んだときの話とか。
誰が読んでくれなくても書くよ。だって毒抜きだもん。
でもしばらく後だろうけど。一回書けばしばらくいいよ。
H12.2.20再アップH17.6.9
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