は一番最近麦わらの一味に仲間入りした女の子だ。
彼女の、船の中での役割りといえば……、実は特に決まってはいない。強いていうなら、皆のアシスタントだ。
器用貧乏なのだと本人は笑うが、は何でも出来た。看護師にもなれば調理の下ごしらえもてきぱきとこなし、ブルックの演奏に合わせ美声まで披露する。ナミもロビンもウソップも、に手伝わせると作業がはかどると、取り合うようにアシスタントの依頼をしていた。
それだけではない、戦闘も一応でき、暇さえあればゾロの傍らでトレーニングに精を出している。かと思えば、麦わらの船長と楽しげに遊んで走り回っている。
……だから、フランキーには分からなかった。
皆の手伝いをして、皆と仲の良い、の本心は、一体どこにあるのか――。
スーパーな夜
「ほらよ」
「わーフランキー、今度は何を作ってくれたの?」
瞳を輝かせるに、スーパーな自信作のハイテクからくり人形を手渡すと、はしゃいで早速遊び出す。
可愛いの気を引きたくて、こんなオモチャや凝った装飾品を作っては、それを渡すのを口実に武器開発室に呼び出している日々だ。
皆のように手伝ってくれ、と言えばいいのだが、さすがのも武器開発や専門的な大工作業には出番がないのだった。
「いつもありがとうフランキー。お礼にコーラあげる!」
よく冷えたのを受け取るはずみに指先が触れれば、少年みたいに胸がときめく。
――もう、言ってしまおうか。
考えるより先に口が動いていた。
「、おれ実はお前のことが好きでよ」
「……」
はオモチャをきゅっと胸に抱き、びっくりしたような顔を上げた。
緊張しながら見守る先で、その頬には赤みが差し、微笑みがともる。
「私も、フランキーのことが好き」
何かもらうたびに嬉しくて、ひとつひとつ大切に取っておいているんだと、語るがいとしくて、硬い両腕に閉じ込める。壊さぬように、そっと抱きしめた。
さて船でも公認の仲になり(男たちからは嫉妬の嵐だったが)、しばらくはほのぼのと付き合っていた二人だが、ある夜ふっと二人きり、いつものように仲良くくっつけば、キスだけで終わる雰囲気ではなくなって。
「……するの?」
「するよ」
何を憚ることもない。何しろ二人は、正真正銘恋人同士。
「……出来るの?」
「どーゆー意味よ」
もう上にのしかかってきている。潰されそうだ。は生命の危機を感じつつ、フランキーの海パンの方に視線を向けた。
「だってサイボーグ……」
「サイボーグだからすげぇのよ?」
フランキーは無駄にポーズを取り、何故か勝ち誇っている。
「好みにカスタマイズも出来るし、普通の男じゃ出来ないようなことも出来るから、おれから離れられなくなんのよ」
何をどうカスタマイズ。そして普通の男じゃ出来ないことって何!?
「ぎゃー変態!」
「よせよ照れる」
「だからほめてないっ!」
構わず、ずずいと体を寄せてきて。
「……覚悟はいいか? ん?」
真顔で聞かれると、真っ赤になりながらも頷くほかない。
離れられなくなるというなら、むしろ望むところだ。
「でも、お手柔らかに」
「おれだって最初から全開にはしねえって」
ちゅ、ちゅ、と小さくキスをして。
二人の影は重なり――。
それはもう、スーパーな夜を共に越えたのでした。
「……どうだったよ?」
「うう……自分で言うだけあって、凄い……」
「だろ? まだまだこれから、もっとよくしてやるから、期待してろよ」
「……」
フランキーの大きな体に、ぴたっとくっつく。
「どうした?」
「本当に……離れられなくなっちゃう」
この甘さを知ってしまっては。
「アウ……だめだろ、誘ってんのかそれ!?」
くるっと、あっという間に体勢を入れ替えられた。
「きゃーもう勘弁、体がもたない!」
「コーラ飲めばいける!」
「それはフランキーだけでしょー!」
「いいからいいから……」
「いやーん!」
の甘い声が響き渡る、朝の兵器開発室だった。
END
・あとがき・
エース夢の次の展開を考えるほど気分が沈んでいたところに、ぽんと生まれてきた短編です。なぜかフランキー。そして何だか品のない話……。
このヒロイン設定は、また、他の一味を書くときに使うかも知れないです。
昔、矢尾さんが好きでね。ダ・サイダーとか、風小次の死牙馬とかやっていたころ(古い……)。
なんか、CDも持ってました。歌の。
そういう意味で、フランキーは思い入れのあるキャラだったりします。
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