昼から夜への移ろいも、それどころか日付すらも忘れてしまいそうになるホテル暮らし。
はくったりと、ソファに身を投げ出している。
頭のところでは彼−Lが、いつもの体育座りで甘すぎるコーヒーをすすっていた。
本当はひざまくらをして欲しいんだけれど、この人この座り方にこだわりがあるようだから、絶対してくれないだろう。
でも、すぐそばにいてくれるから、気分は悪くない。彼もそう思っているはず。こちらを一顧だにしないけれど。
「竜崎」
「はい」
落ち着いたトーンで、いつものきちんとした返事が返ってくる。これも
には心地良い。
「幸せね」
「・・・そうですね」
すこし、ほんの少し、笑ったようだ。
それで確証する。同じ気持ちでいることを。
少しすると、頭の方がモゾモゾしてきた。
「なに?」
見上げて、Lのまどかな目を覗き込む。
表情は特にないけれど、彼は
の髪を触って遊んでいた。
「私、
さんの髪が好きです」
下を向き一心にごそごそいじる様子はまるで子供のようで、世界の切り札という肩書きとのギャップに笑ってしまう。笑いついでに
は起き上がり、彼に密着するように座った。
「私もあなたの髪が好き」
つと触れてみる。真っ黒でボサボサ硬い質の髪を。
「そうですか?」
ふに落ちないといったようだ。好かれる要素がないと思っているのかもしれない。
「好きよ」
近くで笑ってみせると、Lにくいと腕を引かれた。「ここにおいで」のサインが嬉しくて、一度ソファを下りてから彼の膝と膝との間におさまる。
こんなふうに無防備な体勢で、Lに好きに扱われるのが
のお気に入りだった。
「あとは?」
「はい?」
「髪のほかにはどこが好き?」
頭のいい彼には、これくらいの言葉で十分だ。すぐに汲み取ってくれるから。
「そうですね・・・例えば、ここ」
まぶたにキスを落とす。
「それから、ここも」
今度は頬に。
「やはり・・・ここでしょうか」
本命の、唇。
なかなか離してくれず、激しくなる一方のキスに、
は軽く暴れた。
「は、ぁ・・・苦し・・・っ」
「もっと、聞きたいですか?」
「・・・うん」
うるんだ瞳で頷く。支えてくれている腕に力がこもったのを感じていた。
「私はくどいんですよ。夜中までかかってしまうと思いますが、それでも良ければ」
「いいわ、ゆっくり教えて。そうしたら私も、あなたの好きなところを教えてあげるから」
「すると朝までかかってしまいますね」
笑いながらもう一度、口づけ合った。
・あとがき・
L短編です。
「くどいんですよ、私」というセリフがなぜか頭の中に浮かんで、それを言わせたくて組み立てたお話です。
とあるイラストサイトさんで、Lのお膝の間にミサちゃんが座っている構図のイラストを拝見して「いいな」と思ったのでそんな感じで。
ちなみにLミサ結構好きなんです。気が向けばLミサで小説書きたいくらい好きですね。
H17.12.10
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