M字開脚




 ※手錠もなければ監視カメラもない設定でお願いします。

「それじゃあミサ、おやすみ」
 ぱたんとドアを閉じ、ライトが行ってしまう。今日はキスもくれなかった。
 ミサはふくれ顔のまま、鏡の前に立つ。
 下着の上にシースルーのベビードールなんて、男なら絶対グラっと来る格好だと思うんだけど。
 膨らみとくびれが作るラインと脚線美、ひそかに自慢のそれらも、愛する人に見てももらえないなら何のため?
 体を斜め向きにして片腕を上げてみる。今度は前かがみのポーズ。そのたび揺れるレースの裾やリボンが、愛らしいだけに空しい。これがどうして月をくすぐらないのだろう。
「・・・つまんない」
 一人相撲、バカみたい。
 鏡の自分にベーッと舌を出し、ドアを開ける。松田さんでもからかってやろうと思ったのだが、ちょうど廊下を歩いていたLとハチ合わせた。
「竜崎さん」
 からかうターゲット変更だ。ミサはLを部屋に引き入れた。

「何ですかミサさん。私はまだ仕事が残っているんですが」
「残ってるじゃなくて区切りがないだけじゃん。それより何か言うことない?」
 いつも変わらない声のトーンを崩してやりたい。その無表情も。
 ヒラリいたずらにめくり上げてみせると、竜崎はきょろんとした黒い瞳で凝視していたが、ひとさし指をくわえた口から出た言葉は、
「お腹冷やしますよ」
「〜〜じゃなくてっ!!」
 腹立ち紛れにぱしっと自分の腿を叩く。
「もう! ライトだけじゃなくて竜崎さんまで、誰もミサのカラダに関心持ってくれないのー!?」
 ミサの苛立ちはLにも伝わっていた。確かに月は、あの年頃にしてはストイックすぎる。が。
「それだけ惜しげもなく出していては、月くんも見慣れてしまいますよ」
「えっ、そーかな・・・セクシーにしたかったんだけど」
 指を口にくわえたまま、Lはミサの全身を遠慮なく眺め回した。
「・・・ベッドの上でM字開脚」
「はあっ!?」
「私ならそそられます」
 このときはまだ、冗談の域を出なかったのだが。

「どう? 竜崎さん」
 負けず嫌いの意地なのか、ライトへの当てつけなのか、単なる浮気心なのか。
 自分でも分からない。
 両腕をベッドについて上半身を支え、膝を立てた脚を開いて見せた。
 何でもないふうを装っているけれど、その実顔から火が出そう。竜崎の大きすぎる目が、こんなに恥ずかしい格好を、無機的に映しているのを感じて。
「ミサさん、M字開脚というのは・・・」
 いつもの前かがみで歩いてくると、Lはミサの両膝にそれぞれ手を置いた。
「こうです」
 ぐいっ、思い切り左右に押し広げる。
「やっ、触らないでよ」
「触ってはだめですか」
「当然です。ミサはライトのものですから!」
 こんな状況でそんな言葉、白々しいにもほどがある。胸に広がったもやもやに火がつくのをLは感じていた。
「じゃ触りませんけど、脚はそのままですよ」
 言い捨てるようにして、手を離した。ベッドのそばからは動かず、ただ黙って見下ろす。
 淡いピンクのベビードールはまくれ上がり、色柄を合わせたショーツが丸見えだ。たった薄い布切れの向こうを、いやでも想像してしまう。
「・・・っ」
 照明の下で思い切り脚を開いた姿を、ただ見られている・・・。
 視線が、絡み付いてくる。
「竜崎さん・・・」
 声に添加された甘さに、自分で驚いた。
「何ですか」
「いつまで、こうしてるの」
「ミサさんの、気が済むまで」
「・・・」
 それなら今すぐやめてもいいのに。
 体が動いてくれない。
 がんじがらめに縛られているかのように。
「竜崎・・・さん」
 もう、とっくに犯されている。
 その瞳に・・・。
 見られているだけで、体内が熱くなるのを感じていた。
 ひくつく感覚で、熱が滲み出そう・・・いや、もうすでに・・・?
「濡れてきていますよ、ミサさん」
「や・・・そんなこと言わないで!」
「でもホラ・・・あ、触ってはいけませんでしたね」
 伸ばしかけた手を止める。もちろん、わざとだ。
「いっ意地悪・・・」
 ほてった体が求めている、こんなにも。
「と、取り消すから・・・さっき言ったことは。だから・・・」
「そうですか」
 ぎし、ベッドに上がりこみ、Lは細くて長い指をすっと伸ばした。ただし、大きく広げた脚の方ではなく、口もとへ。
 今まで自分でくわえていた人さし指で、ミサのつやつやリップに触れてやる。それだけで小さく波打つ身体が、愛しい。
 中指も加え、二本の指で口腔内をかき回すと、はしたない湿音が響いた。息を荒げる口端から、唾液が糸を引く。
「いやらしいですねミサさん」
 口から外した自分の指を舐める。舌を出して、見せつけるように。
「竜崎・・・さんっ、お願い・・・」
 淫らに潤った目、なりふり構わぬ懇願の声に、満足を覚えた。。
「キスして・・・それで、ミサのソコ、触って・・・ぇ」
「今度はおねだりですか」
 その気にならない男はいない。じらすのもとっくに限界だ。
 それでもLは、すぐに手を出そうとはしなかった。
「ミサさんの気持ちは変わらないんですよね。月くんを・・・」
「き、決まってるでしょ」
 竜崎の瞳や表情から、感情など読み取れはしない。
 ミサは熱に浮かされるままに口走った。
「ミサの好きなのは、ライトだけ・・・でも、ライトは何もしてくれないから・・・」
「心と体は別、ですか。好きモノなんですね、こんな可愛い顔して」
 なぶると、キッと見返された。
「何よ! だいたいこんなカッコさせたの、竜崎さんでしょ。責任取ってよ!」
「怖いですね。そう言わずとも、私ももう我慢できません」
 優しく後頭部に手を添え、ベッドに横にする。
「月くんは、どうかしています。こんなに魅力的なミサさんを目の前にして、指一本も触れないなんて・・・」
「あは・・・そう思ってくれる? 嬉しいな竜崎さん」
 月を挟んで一種連帯感のようなものが生まれ、ミサはLと初めてキスをした。
 時間をかけて、しかし激しく味わいながら、ミサの弾力ある体の方へと手を這わす。
「M字開脚のお礼に、よくしてあげます」
 打ち震える体は、期待と悦びの証拠。
 ミサはにっこりして、Lの体に両腕をからめた。







                                                             END



       ・あとがき・

相方が「何もしてくれないライトに焦れて浮気するミサを読みたい」と言い出したので、久々にLミサを書こうかと思いました。
Lミサ相変わらず好きですよ。せっかくミサがお相手なんだから、ドリームとは違う、Lミサならではの感じで書きたいんですよね。この話でいえば、気持ちはライトに向いているんだけど・・・といったような。

最初、月とLが繋がっている手錠や、監視カメラをどうしようか、真剣に考えたんだけど、もう「それはナシ設定」にしようと開き直ってしまいました。堂々ご都合主義です!

このお題って、Lが死神のことを聞いたときの驚きのポーズから生まれたお題なのかな。
ミサにM字開脚させてしまったよ。まぁミサのイニシャルMだからいいか(?)。
ミサは色んな人にセクシーな格好を見せすぎです。アイドルなのに。

これから二人の間に愛が生まれるのか、それとも体だけの関係に発展するのか、一度きりの火遊びか・・・。ご想像にお任せですが。
また、Lミサ小説を書きたいですね♪


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