チラリズム




「開きすぎだよねー」
 頭の上から、ダラダラした声が降ってきた。
 いかにも「暇つぶし」といった調子なので、構わず大福にパクついていると、今度は後ろから襟ぐりをぐいと引っ張られる。
「これ、ココ、鎖骨とかチラ見せしちゃって」
「別に、見せようという意図はありません」
 第一、いつもと変わり映えしない服だ。
 振り向きもしない竜崎が面白くなくて、ミサは隣にばふっと座り込んだ。竜崎のマネで両膝を立て、首を傾け顔をうかがう。
「そーいえば、ライトとケンカしてたときも、背中とパンツ見えてたし・・・竜崎さんってチラリズムの達人ね!」
 決め付けてミサは楽しそうだけれど、竜崎としてはそんな称号、嬉しくも何ともない。
「確かに、ミサさんのように堂々とされていると、その気をそがれますよね」
 大福を食べ終わった指をぺろり舐めながら、淡々と。その舌が、究極のチラリズム、かな。
「そんなこと言っていいわけェ?」
 脚を崩し、前かがみになるように手をつく。上目遣いでしなを作って、さながらグラビアモデルのように。
 自分を可愛く見せる表情や角度を熟知している辺りは、さすがアイドルといったところか。
「そういうストレートな誘いが、チラリズムとは対極にあると言っているんです」
「とか言いながら、しっかりこっち見てる」
 竜崎の、深い黒の瞳いっぱいに、自分が映っている。いたずらな表情、あられもない姿で。
 それを眺めながら、ミサは笑った。
「そのストレートな誘いに、乗るクセに」
 ミサのきらきらした瞳、好奇心いっぱいで、ときに小悪魔のような。
「・・・乗って、あげましょう」
 誘っているのは、どっち?
 互いに瞳を伏せ、その代わり、唇を合わせた。

 場所をベッドに移すと、早速手を伸ばし、竜崎の長袖Tシャツの裾をめくってみる。チラリ見えている下着のゴム部分に、ミサは笑いをこぼした。
「ホラ、チラリズム」
「そんなに楽しいですか」
 その裾に手をかけ、思い切り良く脱ぎ捨ててしまう。それから、ジーンズも。
「この方がよっぽど楽しいと思いますよ、これから先はね」
 不気味なほど無表情で、ミサの短いスカートにも手をかける。
「・・・竜崎さん、ヤセすぎ」
「ミサさんはほどよく肉がついてます」
 太ももを撫でられて、その手つきにゾクゾクする。ミサのスカートはゆっくり捲り上げられた。
「チラリズム・・・いいですね」
 こんな言葉を平然と言い放つところが、すでに変態じみている。
 ミサは誘いをかけた(もしくは誘いに乗ってしまった)ことをちょっぴり後悔したが、後のまつり。
「今日はミサさんのチラリズムを、じっくり堪能させていただきましょう」
 自分は脱いでしまっても、ミサは脱がさず、少しずつ衣服をほどいて、隙間から見える白い滑らかな肌を楽しませてもらおう。
 竜崎は実に楽しげな笑いをこぼし、つかず離れずの位置から、手を伸ばした。





 

 
END


 
 

・あとがき・

Lミサ第二弾、今回はかなり短いですが。
Lミサ書こうと決めてから、お題を眺めてみました。
チラリズム・・・。Lに確かにお似合いだわ。鎖骨のチラリズム、月とケンカしているときのチラリズム、7巻表紙のチラリズム、舌のチラリズム、・・・たまりません!!
あれで私は「この人、エロい!」と思ったもの。
ミサは堂々としていますよね、あのネグリジェみたいなので皆の前に出てきたり、ショーツ姿で月を待っていたり。
その対比を考え、こんな話が生まれました。

ここでは時期がいつかなのかとか、二人の関係がどうなのかとか、一切出てきませんが、ドリームで書くのと同じく、短編一本一本ごとで設定が違うのもいいじゃないかと私は思っています。
何ならパラレルくらいに考えてもらってもいいくらいです。
理由なくラブラブでもいいです、Lミサなら。本編とかけ離れても私は構いません!(何を声高らかに・・・)
・・・でも次回は「体だけの関係です」という二人を是非書いてみたいなぁと。

 

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