ひまつぶし
「悪ィ、こんなとこに呼び出して」
小窓の外に向けたカメラ、床に数台ものパソコンと、にはよく分からない機器・・・今度は何の仕事をしているんだろうか、この人は。
彼氏と呼べるのかも分からない存在なのに、会ったとたんベッドに押し倒されても抵抗のできないだった。
「や・・・」
キスもそこそこに、体中を愛撫される。しかもいやなくらい巧みだから、すぐ、溺れてしまう。
「相変わらず感じやすいのな。そこがカワイイけど」
機械だらけの部屋に似つかわしくない、湿った音が響き始める。
「もう、突っ込みたくなった。いい?」
質問の形を取ってはいるが、答えなど聞くつもりもない。
服もろくに脱がないどころか、ゴーグルも着けたまま。マットはの体の中に入っていった。
「ひっ・・・あ、あ・・・」
彼を感じたと思うともう激しく衝かれて、声もおぼつかない。
性急で一方的・・・いつだって彼はこうだ。いつだって。
それでも、体はちゃんと感じてしまう。
そして決して、離れられない・・・。
「・・・マット・・・っ」
両腕を伸ばして、ボーダーのシャツにしがみつく。
「・・・イイよ」
せめて応え、キスをした。
煙草の味が今は媚薬となる。
「スゲェ、いい、の中・・・久しぶりだし、もうイキそ・・・」
ぐいぐい、自らを解放すべく、激しさを増してゆく。
「や、あ・・・マット・・・っ」
も一緒に昂ぶって・・・。
「見張りしてたんだけど、動きも何もなくて、暇でさ」
ベンチに無造作に座り込み、今度はゲーム機を手にしている。
「退屈しのぎの、ひまつぶし・・・?」
そのゲームと一緒なの? 私も。
「」
身体を引き寄せ抱きしめる。
このタイミング、これだからズルい、この人。
「金が入ったらさ、何か買ってやるよ」
「モノなんて、いらない」
自分からも腕を回し、細い胴回りにしがみついた。
「マットがいい」
「・・・バカ」
可愛いコト言うな。
本心は、届かなくても仕方ない。
だからもう一度、口づけた。
めちゃくちゃに奥まで、激しく奪うようなキスをした。
「・・・マット」
うるんだ瞳、半開きの唇で、すがるように見上げてくるから。
「エロいんだよ、誘ってんのかコノ」
その場に組み敷いて、また、したくなる。
ひまつぶしなんかじゃなくて。
会いたくて会いたくて、抱きたくて抱きたくて・・・。
「好きだ、」
止められないだけ。
数日後、の携帯にマットから連絡が入った。
『日本に行くことになった。お前も来いよ』
「来いよ、って、そんな簡単に」
彼の壮大なひまつぶし。
なんだかんだ言って、付き合ってしまっている自分。
多分、どこまでも、いつまでも。
END
・あとがき・
デスノート10巻発売記念、マット夢です。
L以外のドリームを書くのは初めてです! Lが大好きだから、L以外を書くことがあるとは思っていなかったんだけど・・・。
10巻を読んだら、魅上さんと共にマットのことが気になって。照さんドリームも書きたかったのですが、先にネタの浮かんだマットを書きました。
マットはスタイルもいいしファッションもカッコいい。メロとのツーショットは最高です。こんな人たちが実際にいたら見とれてしまいそう。
しかし、メロと動いていてお金入ってくるのかな・・・。
見張りをしているとき、暇そうでゲームなんかしていたので、それなら女連れ込んで・・・ってのもアリかな、と、こんな話が思い浮かびました。
その場限りの相手というのでも考えたんだけど、どうせなら付き合っている人がいいな。でも何となく、ちゃんと「彼氏彼女」と確認し合って付き合っているイメージじゃないな・・・ということで、ちょっとちゃん不安な感じ。ちゃんとマットはちゃん一筋なんだけどね。
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