Hello,Again〜昔からある場所〜



 白無垢をキッチリ着付け、ふんわり綿帽子に色づく頬を隠して。花嫁衣裳に身を包んだは、ただひとり、流浪島へ降り立った。
 今日は待ち望んでいたお嫁入りの日。幼い頃から言い聞かされてきた旦那さまは、見たことも話したこともないけれど、きっとステキな方に違いない。
 は、洞窟の入り口に据え付けられた、頑丈そうな扉に手を触れる。
 この中に、旦那さまが・・・。
 期待をこめて、そっと、扉を開けた。

 黒い服を着た、黒い髪の男の人が、壁に向かって座っていて。
 ドアの音に反応し、こちらを振り向いた。
 長い前髪に右眼が隠れているけれど、外見は結構好みかな。そんなことを考えながら、
「忍さま、私は・・・」
 挨拶の言葉を口に乗せようとしたその瞬間。
 シュッ・・・!
 光る刃先、飛び散る鮮血。
 旦那さまになる人は・・・、自分で自分の手首を切った。

「・・・すまない、止血してもらって・・・」
「・・・・・」
 には返す言葉もなく。
 洞窟の中、重苦しい空気が流れていた。
「突然人が来たものだから・・・ビックリして・・・」
 が巻いてあげた白い包帯に目を落とし、とつとつと呟いている。
 ビックリすると手首切るのか。
 冷たく突っ込みたかったが、確かに予告もなくこんな格好の女が訪ねてくれば、驚くのも無理はない・・・か。
 は気を取り直して、両手をつき、深々とお辞儀をした。
「私、聖守姫(ホーリーガーネス)の力を持ちます、といいます。忍さまの守り人となるために参りました」
 うまく口上を述べることが出来たと、自分で満足して顔を上げる。が。
 忍は再び壁に向かい、コックリさんの紙を広げつつ何か見えない方々とブツブツ会話をしているではないか。
(ひ・・・人の話、ムシ・・・?)
 忍さまは立派な超人で、先の冥界との戦争でひどく傷つき、一人きり苦しんでおられる。お前は忍さまの妻となり、少しでも力添えをして差し上げるのだよ。
 そう言い聞かされ育ってきた。
 どんなに素晴らしい人だろうと、嫁ぐ日を心待ちにしてきたのに。
 手首切るわ、コックリさんで幽霊を呼び出すわ、これはどう見てもネクラのヘンタイじゃないか。
(イヤ・・・こんなのイヤッ・・・)
 ずっと心に抱いていた憧れが、崩れ去ってゆく。ガラガラと音を立てて。
「・・・ホーリーガーネス・・・」
 今にも倒れそうなには背を向けたまま、忍は呟いていた。
 聖守姫とは、癒しの能力を持つ稀有な血。忍がルーンメイスを手に入れここに篭ることを決めた百年ほど前には、存在していなかったが・・・。
 その聖なる血が出現したのか。そしてここに、自分のもとに、つかわされた。
「・・・・・」
 忍は思い切ってもう一度振り向いた。
 と名乗った娘は、白無垢姿で呆然とたたずんでいる。
「・・・兄者のところへ行ってくれ」
 気がかりは、呪い刀に選ばれ天上門を守している、長兄・乱世のことだ。
 数千年に一人しか出現しない聖守姫なら、自分などよりも兄のもとでその務めを果たして欲しい。
 そう願ったのに、は硬い表情のまま首を横に振った。
「乱世さまのもとへは、私の姉が・・・」
 の姉も、同じ血を分けていた。
 聖守姫が同時に二人現れるなど、本当に珍しいことで、ガマ仙人は姉妹それぞれが持って生まれた能力を見極めた上で、姉を乱世へ、そしてを忍へ嫁がせることを、早い段階で決めていたのだった。
(・・・それにしても、何で私がこんな人なの・・・)
 絶対ハズレだ。乱世さまも見たことはないけれど、こんなのよりはずっとマシに違いない。
 は姉を羨ましく思い、同時に自分の宿命が心底恨めしかった。
「・・・それなら、リキッドでもガマ仙人でも・・・、その力を必要としている者のもとへ、行ってくれ。・・・オレは大丈夫だから」
 としても、本当にそうしたかった。出来ることなら。
 傷つき苦しんでいると聞いたが、そんな感じでもないし、には見えないお友達がたくさんいるようだから寂しくもないだろうし。
「一応、あなたのそばにいることが、私のさだめなんだけど・・・」
「・・・オレは、ここに閉じこもっているだけだから・・・、貴女には退屈な毎日になる」
 決して目を合わせようとはせず、忍はコックリさんの紙を見つめるような目つきで話していた。
「さだめだからといって、ムリをする必要はないよ・・・」
 ほとんど独り言に近い呟きだけれど、しんとした洞窟内ではよく響く。
「そう・・・。そういうことなら帰らせてもらおっかな」
 あっさりと答えたは、実に晴れ晴れとしていた。
 思っていたのと全然違う人でガッカリだし、本人が必要ないと言っているんだから、いいだろう。
 忍の言う通り、リキッドかガマ仙人のお嫁にしてもらおう。そうしよう。是非そうしたい。
「あ・・・、でも、ここに来るまでで力使い果たしちゃったから、すぐには帰れないや」
「じゃあ・・・、今日は、泊まってく・・・?」
 ギョッとして見ると、膝を抱えた忍は慌てて目をそらし、コックリさんのコインに指を添える動作でごまかしていた。
「な・・・何もしないよ・・・」
「・・・・・」

 結局、その夜は流浪島に泊まることになり、は忍から出来るだけ離れて壁に向かい横になった。不本意だが、帰れないのだから仕方がない。
 しかし、背後の忍が気になって眠れない。
 何もしないなんて言っていたけれど・・・、万が一、間違いが起きたりしたら、もう他の人のお嫁にはなれないのだから・・・。
 ハラハラしながらちらっと盗み見ると、忍もこちらには背を向けて、ぴくりとも動かなかった。
「・・・寝たの?」
 小さく問いかけてみると、
「・・・・・いや」
 かすれた声でいらえがあった。
「人が・・・ここに訪ねてきてくれたのは、初めてだから・・・」
 嬉しくて興奮して眠れない。とまで言ってしまうと変な誤解を招きかねないので、忍は言葉を切った。
 聖守姫の癒しを受ける方法はただ一つ、直接触れ合うこと。それは忍も知っていた。
 だが、今、触れることもなくただ同じ空間にいるだけで、心が安らぎ肉体的な苦痛も和らいでいるのを、忍は奇跡のように感じていた。
 それに、この場にがいることを思うと、胸の真ん中辺りがふんわり温かくなって、全身に心地良い痺れが走る。それは久しく感じたことのなかった・・・そう、千年以上も忘れていた・・・、「幸せ」という気持ち・・・。
(・・・これだけで・・・十分だ・・・)
 聖守姫の祝福にほんの少しでも浴することができた。それ以上は、望むまい。
 やさしい気持ちを解きほぐして、眠りへと沈みかけた、その瞬間のこと。
 緩んだ意識の隙間を狙っていたかのように、忍の中の魔が、うごめき出した。
 初めはほんの、針ほどの。
 いっきに破れ、右眼を中心に激痛が走る。
「・・・ッ・・・う・・・うう・・・」
 せっかく来てくれたに、気取られてしまう。見られてしまう、この姿を・・・それは避けたい事態ではあったが、あまりの苦痛に、呻吟を押さえることまでは出来なかった。
「・・・? 忍?」
 もう「さま」をつけることはやめていた。
 苦しげなうめき声を不審に思い、は起き上がる。
 忍が、横になったまま右眼を押さえ、もだえ苦しむ姿に驚き駆け寄った。
「−来るなッ!」
 今までにない鋭さで怒鳴られ、一瞬動きが止まったが、尋常ではない様子を放っておけるはずもなく、迷わず背後から抱きつく。
「どうしたの、しっかりして!」
 触れた腕から力を注ぐ。少しは楽になった様子の忍を覗き込んで、は声にならぬ叫び声を上げた。
「!?」
「−見ないでくれ」
 体全体で拒まれ、手を離す。
 忍はどこからか杖を出し、それを支えに体を起こした。も知っている。超神器のひとつ、ルーンメイスだ。
 魔を封じる幻杖でどうにか押さえ込む。はあ、はあと激しく肩を上下させ、呼吸も少し落ち着いたところで、忍はに詫びた。
「・・・すまない、驚かせて・・・」
「・・・・・」
 確かに、驚いた、なんてものではない。最初のリストカットの衝撃なんて、どこかへ飛んでしまった。
 ・・・あれを見てしまっては・・・。
「忍っ・・・、あなたは」
 今はすっかり元に戻っている、忍の体。だがは見た。
 闇そのもののような右の目、耳まで裂けた口から覗く牙、ビキビキと脈打つ、醜悪な肉体・・・。忍の右半身に出現した、世にもおぞましい姿。あれは魔物以外の何者でもなかった。
「何故・・・あなたは一体・・・」
「・・・見られてしまっては、話さないわけにもいかない・・・かな」
 ふう、と大きく息をつくと、忍はルーンメイスを戻した。・・・自分の右眼に。
「その眼は・・・」
 ずっと黒髪の影に隠れていた眼は、爬虫類のような冷たい光を宿していた。その目から頬にかけて、大きな傷跡が走っている。
 忍はその傷にそっと指を添えた。
「・・・これは、オレが先の戦争で、魔人から奪って喰った、眼・・・」
「・・・魔人の、眼・・・!?」
 度重なるショックにそれ以上声も出せないに、忍は淡々と伝えた。
 天帝の居所を知るため、死闘の末魔人の眼を奪い取ったこと。しかし時既に遅く、天帝は冥王との戦いで命を落としてしまっていたこと。
 ルーンメイスが魔力を封じてくれてはいるが、まだ完全に幻杖を使いこなしコントロールすることがかなわず、しばしば先ほどのように魔人の姿が出現してしまうこと−。
「そんなっ・・・ルーンメイスがあるとはいえ、魔力を宿しながら聖層圏にいるなんて」
 どれほどの苦痛を伴うか・・・想像もつかない。
 は洞窟内を見回し、頑丈な扉に目を留めた。
 こんなところにじっとしているのは、引きこもりたいとかコックリさんのためとかじゃない。聖層圏の空気に、極力触れないようにするためだったのか・・・。
 それにしても苦痛がゼロになるわけではないだろうに、気付かなかった・・・気付かせなかった。痛いとか辛いとか、全然。
 は忍をまじまじ見つめていた。
 何て、忍耐強い人なんだろう。
「それなら尚更、私の・・・聖守姫の力が必要なんじゃないの。今そうしてたって、平気じゃないんでしょ。それなのに、どうして、いらないなんて・・・」
「・・・役目を、果たせなかった・・・」
 喉からしぼり出すように声を出す忍が、初めて痛そうな顔を見せたのは、体が辛いからではない。
 思い出すたび、目に焼きついた光景が胸を締め付けるのだ。天帝の・・・末弟の、死に顔が!
「天帝を見ていてやるのが、昔からのオレの役目だった・・・それを果たせなかったオレに、聖守姫の祝福など受ける資格はない」
「忍・・・」
 罰のように、感じているのだろうか。
 どんな痛みも苦しみも、自分だけで耐え抜くことで、償いに代えようと・・・。
「・・・だから、手首切ったりコックリさんしたりしてまで、私を帰そうと・・・」
「イヤそれは単なるシュミだけどね・・・」
 という忍の声は、気持ちの激しい盛り上がりに襲われているには届かない。
「決めたわ。私やっぱり、忍のお嫁さんになるッ!」
 義務感なのか同情なのか恋なのか、自分でも分からない。
 ただ忍のことをすごい人だと思ったし、少しでも力になりたいと、今心から願った。
「気持ちは有難いけど・・・さっきも言ったように、これはオレが受けなければならないことだから・・・」
 とは正反対のテンションで、忍は尚も固辞していた。
「それに、もしかしたらそのうち魔力を抑えきれなくなって、オレの体が魔人に乗っ取られてしまうかも知れない。そうじゃなくても、苦しみに耐えかね正気を失ってしまうかも・・・」
「だから! そうさせないために、私が来たのよ!」
 もう後ろ向き発言はウンザリだ。
 はいきなり帯をほどき出した。しゅるしゅると白無垢を脱ぎ捨ててゆく。
「な、何してるんだ・・・」
「つべこべ言わず、一緒に寝るのよ!」
 大胆発言に次いで、忍をその場に押し倒す。
・・・」
 困ったような焦ったような表情に、愛しさを感じた。
 その気持ちのまま、勢いでキスをする。
「・・・ね、楽でしょう少しは・・・」
 忍は片眼で頷き返した。
 は満足げに微笑んで、いそいそとじゅばんを脱ぎ始める。忍の上に体を重ね、頬を寄せた。
「忍・・・魔力を飼い慣らすのよ。聖魔を組み合わせた力を貴方の中で育てることが出来れば、今度こそは果たせるわ・・・。私に、手伝わせて」
「しかし・・・」
「忍の役に立ちたいの。これは役目だからとかじゃなくて・・・」
 前髪をかきやってやると、そらさず見すえる。魔そのものの、不死眼を。
「・・・私の、意志だから・・・」
「・・・っ・・・」
 忍は、初めて自分からに触れた。強く抱きしめて、そして、泣いた。
 魔に侵される恐怖の中で、苦痛にさいなまれながら長い孤独を耐えてゆく運命を、甘受していた。
 そんな生き地獄が、自分に見合っているのだと。
 聖守姫の出現も、一瞬だけの幸福をもらえただけでいいと思っていた。
 だけど。今、こんな言葉をかけられ抱き合ったら、欲が出てしまったようだった。
 楽になりたいという以上に、愛し愛されたい・・・。
 とっくの昔に捨てていたはずの希望が、胸のうちに蘇って。
 気が付いたら、激しくを求めていた。

「・・・本当に、拙者のお嫁さんになっちゃったよ?」
「う・・・うん・・・」
 お互い生まれたままの姿なのが今更ながら恥ずかしくて、は真っ赤になっていた。
 こっちから襲ってやろうと企んだのに。
 この人がこんなに情熱的だったなんて、すごく意外・・・。
「体が楽だ・・・」
 これが聖守姫の本当の力。
 感心する忍とは対照的に、は精気を吸い取られたかのように腕の中グッタリとしていた。
「・・・さすが半分魔人。私もうダメ・・・」
「・・・やっぱり忍のこと好きになってくれないんだ・・・」
 バシュッ。
「そーゆー意味じゃないって。切らないでよー!!」
 忍との初夜は、血で彩られるという何とも不吉なものになっていた。

 そんなスタートだったけれど、暮らしてみれば案外うまくいって、ケンカもしながら二人は仲良くその後900年ほどを過ごした。
「忍・・・」

 閉ざされた洞窟の中、体と体で触れ合うことで、癒しと深い愛を得る。900年変わらぬ営みだった。
 だが、こんな生活も、もうすぐ終焉を迎える。
 冥界との戦いが近付いていた。
「骨は拾ってあげる」
「・・・安心して死ねっていうわけだね」
「だって、今度は天帝のために命をかけるって、乱世さまやリキッドと誓ったんでしょ」
 幸せな結婚生活は、かりそめのもの。何のために生き長らえてきたのか、忍とて失念しているわけではない。
 とはいえ、ここまでサバサバされると、少し寂しい気もするのだった。
「・・・そんな顔、しないでよ」
 忍の上に乗っかるようにして、顔を覗き込む。
 素肌の触れ合うところから、守りの力がシャワーのように直接体内に注ぎ込まれる。
 ふうっと息をつく忍の右頬に、手を触れた。傷跡を軽くなぞるように指を滑らせる。
「この900年、忍と一緒にいられて、幸せだったわ」
・・・」
「本当に愛してるの・・・忍」
 だからこそ、彼の望みを叶えさせてあげたい。命を賭す覚悟を、せめて鈍らせず見送ってあげることで。
 そのためなら、自分の辛さや悲しみは、いくらでも抑えることが出来た。
「オレも・・・愛してる、よ・・・」
 長い間一緒にいながら、こんなにはっきり言葉で伝え合ったことはなかった。
 口にした想いは、確固としたものとなって、互いの心に深く根ざした。
「もう一度・・・いい?」
 体勢を入れ替えて、自分が上になると、優しくて寂しげな左眼で、同意を求めてくる。
 は忍の髪をかきやると、不死眼の前で微笑んだ。
「忍の思うままにして・・・。私はあなたのものだから」
 聖守姫として、妻として。
「ありがとう・・・」
 苦痛を和らげたいというよりは、ただ通じ合い深めたかった。
 何度でも愛を感じたかった。

 苦しみに耐え抜いてきたのは、平和のため。
 後悔の念ばかりが強かった忍に、未来へ繋がる希望を教えたのは、だった。
・・・オレのあとを追って死のうなんて、決して考えないでくれ・・・」
 には生きていて欲しい。
 愛する人が存在する世界を守る・・・そんな大義名分も悪くないように思えた。
 二度目の激しさの名残りに、ぐったり顔を伏せていたは、いつもの調子でバッサリ言い放った。
「バカじゃないの、そんなこと考えるわけないでしょ」
「そ、そうか・・・そうだよね・・・」
 さっき、愛してる、って言ってくれたのは、空耳・・・?
 ガッカリしている忍を、慰めるように抱き寄せる。
 は夫に殉じることをよしとしなかった。
 忍は特殊な力を持つ超人なのだから、もしかしたら一度死んでも蘇る手立てがあるのかも知れない。その望みのあるうちは、後を追うわけにはいかなかった。
(平和な世界で、全ての苦しみから解放された貴方と、再び出会いたいわ・・・)
 その瞬間を夢見て・・・、は忍の腕の中、眠りに入っていった。


 願いの成就は、そこから遠い未来のこと。
 同じ場所で、同じ笑顔で、もう一度、会いましょう。

「忍!!」
 ザシュッ、ビューッ!!
 カミソリが光り、手首から血が吹き出す。
 は呆れながら近付き、止血の処置をしてやった。
「・・・相変わらずねぇ」
 魔人を倒し、平和を克復したというのに。
 忍の自殺マニアが生来のものであることを、は改めて認識させられたのだった。
「・・・久し振りに会ったものだから、つい切っちゃったよ・・・」
「あなたとの出会いは、常に血にまみれているわね」
 不吉なことこの上ない。
「こ、こんなふつつかな拙者だけど、また一緒に・・・」
 自信がないのか目を合わせようとしない忍を、は遠慮なく抱きしめた。
「私こそ・・・聖守姫の力はなくしちゃったけど、これからよろしく」
 忍は、前のように右目を隠してはいなかった。
 赤い秘石のカケラを宿した胎児として生まれ変わったとき、不死眼も顔のキズもきれいになくなっていたからだ。
「オトコマエじゃん忍」
 くくっ。いたずらっ子みたいに含み笑いをしていると、がばっとキスされた。
 じいっと見られるのが恥ずかしかったのかな。なんて考えているうちにも押し倒されて、その外見や性格からは推し量れないような激しさでもって、早くも乱されている。
「忍・・・愛してる・・・」
「その言葉を・・・また、聞きたかった・・・」
 初めて結ばれた場所で、昔からあるこの場所で、もう一度−。






                                                             END



       ・あとがき・

乱世の「虹をわたる平和がきた」と対応させて忍の話を書いてみました。乱世のとこにお嫁入りしたヒロインの妹という設定ですね。
こちらも駆け足で復活するところまで書きましたが、乱世のヒロインが乱世に一目惚れだったのと対照的に、最初はちゃん、忍に手首切られてひいちゃってます。そりゃ誰でもそうか・・・目の前でリストカットされた日にゃ・・・。
でも段々、忍に惹かれていきます。

忍の話って、昔書いたNOW AND THENで、自分の中では完成しているので、それを踏襲したような感じです・・・なんかうまく言えないんだけど。
あの中で、忍が妻である颯華さんに「オレを殺してくれるかい」と言うところが我ながらものすごいお気に入り(笑)。
でも、後悔と果たせなかった役目のためだけに苦しみ抜いて生きてきた忍に、もっと違う希望を持って欲しい、と今は思って、ちゃんにそれを伝えてもらいました。

コミックス読み返したら、また忍に惚れた。
カッコイイよねー。自殺マニアだけど。
あんなでも、恋人に対しては情熱的だといいなと思います。

タイトルは、マイラバの大ヒット曲。
昔、HEROのオリキャラ小説にはよくマイラバの曲をタイトルとして使っていたので。





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