Heaven
ある日、カノンとミロに、カラオケに誘われた。
恋人もいない同士、しょっちゅう遊んでいる仲間だから、もいつものように軽い気持ちでついていった。
いつもと違う、と気付いたのは、体がくっつくほどミロが接近してきたからで・・・。そのときには、もう、逃げられないようになっていた。
リモコンを握っている手を包み込むように、ミロの手のひらが添えられる。
はっと顔を上げると、何でもないように微笑まれた。惹きつけられずにはいられない青い瞳に、状況を忘れそうになる。
そこでカノンの歌が終わり、ブランクが入る。隣の部屋から、男のだみ声が聞こえていた。
手の熱さに、ドキドキする。体の芯に、ちくり、とくる。
見透かしたようなタイミングで、耳のそばから吹き込まれた。
「、今日はもっとイイ遊び、しないか」
「え・・・」
のリクエストした曲が始まる。だが歌うどころではない。
強い力で、ミロの膝の上に座らされて。
「やっ何!?」
後ろから羽交い絞めにされる。その目の前にカノンが立った。余裕の笑みで、見下ろしている。
「子供じゃないんだ、分かるよな」
トップスの裾に指をかけると、いきなり捲り上げる。胸の上まで、一気に。
「!?」
パニックになり、ほとんど反射的に逃れようとするが、背後から拘束されていては満足に動けもしない。
「可愛い胸してるな」
楽しそうに、カノンは正面に膝をついた。なぶるように、ブラの上から触れてゆく。
「触り心地と、味はどうかな」
「ヤダっおかしいよ二人とも、どうしたっていうの!?」
いやいやと首を振っても、止めてはくれない。強引にずり上げたブラジャーの下からふたつの膨らみが現れると、男たちの視線が集中する。
「どうもしてないさ」
背後から片方だけ手を伸ばしながら、ミロが言う。あまり近くて、囁きは直接脳に響くかのようだった。
「がこんなことをして欲しそうだったから、カノンと相談して決めたんだ。今日、望みを叶えてやろうって」
「そんな・・・」
胸をまさぐられ、感じる部分を摘まれれば、言葉を続けることも出来なくなる。
じんと襲ってくる波をまともに受け、息が深くなった。
「俺とかミロを見て、抱かれたいって思ってたろ?」
カノンはもう片方を愛撫する。硬くなったところを刺激すると、たちまちうつろになってゆく瞳に、満足げに頷いた。
「こうやって犯されること、想像してたろ」
「いやあっ、私は・・・」
「してない?」
絶え間ない責めに、とうとう甘い声がこぼれる。それでもは、カノンたちの言うことに首肯できず、唇を噛んだ。
「・・・して、ない・・・、あ・・・」
指先で強めに弄られ、痺れる感覚に背を逸らす。
「俺、嘘つく子は嫌いだな」
「エッチな娘は大好きだけどな」
まぜっかえして、カノンが続ける。
「素直になれよ。お前が正直に言えば、望む以上のコトを、してやるから」
唇を近付け、頂を吸った。チュッ、と音を立ててすぐに離す。もちろん、じらす手管だ。
ミロも心得て、敏感なところに触れるのは止め、ただ膨らみをやわやわ揉むだけにとどめる。
「・・・ん・・・」
恥ずかしさに首を垂れるが、本当のところ、急に弱まってしまって物足りない。無意識に体をよじるようにするけれど、ミロの拘束のせいで満足に動けない。だがその不自由さが余計に油を注ぐようだった。
思考も何もとろけてしまいそう。
残るのは、ただただ求める、はしたない本能だけ。
もっと、続けて欲しい・・・と。
「どうだ?」
そこにミロの囁きが忍び込む。甘い声は、それだけで強烈な媚薬となり得た。
「認めるか? 俺たちとこんなことしたいって・・・思ってたんだろ?」
むき出しにされた欲望を震わせ、もっと溢れ出させる。
はたまらなくなり、頷いた。
「ちゃんと言えよ」
少し意地悪くカノンに促され、か細い声でようやっと呟いた。
「想像・・・してた」
「何を?」
胸の弾力を楽しみながら、その言葉を言わせようとする。の口から聞きたいのだ。
「何を想像してたんだ? 」
執拗に繰り返すと、はとうとう観念した。
「カノンとか、ミロと・・・エッチなこと、するの・・・」
何も思わぬわけはない。ただの友達とはいえ、こんなに魅力的な二人と一緒に過ごしていて。
「・・・ゴメン・・・だって、二人とも、カッコいいじゃない・・・だから、つい」
その顔で近く微笑まれることや、黄金聖闘士の鍛え抜かれた肉体。それに抱かれる自分。
そういったことを戯れに妄想したとして、それは罪だろうか。
「謝ることねーよ」
「そうだよ。逆に光栄だな」
カノンもミロも、心から嬉しいふうだから、もほっとした。罪悪感が消えてゆく。
「じゃここじゃマズイから、場所移すか」
服をざっと整え、肌を隠してやってから、カノンは立ち上がる。
「素直になってくれたに、たっぷりご褒美、やらなきゃな」
ふざけるように、ミロはの頭を撫でた。
移動中の車の中に、淫らな音とそれにからむ息遣い。
「あ・・・いやぁ」
「すっげえ濡れてる。思った通り、エッチなんだな」
後部座席で、カノンにスカートの中を好きにされ、は身悶えしていた。
「もう俺ガマンできねえよ。やっちまおっ」
狭い座席にそのまま押し倒そうとするのを、運転席からミロが鋭く止めた。
「ちょっと待て、俺に運転させておいて、自分だけそれはないだろ!」
カノンはしぶしぶ身を起こしたが、思いついてベルトに手をかける。
「じゃあ口でしてくれよ、なっ。着くまで」
「ダメだって言ってんだろー! 事故ってもいいのか!?」
苛立って叫ぶミロに、思わず笑ってしまうだった。
「すげぇ」
「またこんなにして」
「いやっ見ないでよ・・・」
ベッドの上で大きく開かされた脚を固定され、二人の男に覗き込まれている。
異常な状況に興奮は増し、体の奥から熱く流れ続けるのだった。
「シャワー浴びたばっかりだってのに」
「しかもまだ指一本触れてないんだぜ」
わざとかける卑猥な言葉と、からみつく四つの視線がそうさせるのだと、知っていながら。
「先にいいか?」
カノンはもう身を乗り出している。ミロは素直にそこを退いた。
「年長者に譲るか」
普段は年齢差など意識せず接しているくせに、わざと言うと、カノンはちょっと口もとを歪めた。だが目の前の甘い誘惑に吸い寄せられるように、体を近付ける。
「何もしなくても十分だよな」
もうこんなに、零れているから。
面倒は全部省略して、いきなりクライマックスから始めてしまう。
「すげっ、イイ・・・」
の中は狭くて熱くて、カノンにとって最上の感覚だった。
白く柔らかな肌もきれいだし、よがっている顔もまた・・・。
眺め回しているところにミロが割り込んだ。横からにキスで迫り、胸の膨らみに手を持ってゆく。
「んん、んっ・・・」
体内の痺れる圧迫感に加え口までふさがれると、苦しくてそれ以上に感じて、今までにない感覚に戸惑い、もがこうとする。
だが下肢をカノンに繋ぎ止められ、上半身はミロにつかまってしまっていては、逃げられもせず、全てをそのまま受け入れるほかなかった。
絶え間なく押し寄せてくる快感も、それが二人の男友達から与えられているものだということも、我を失いそうに乱れている自分の姿も・・・全てを。
口腔への激しい凌辱から解放されたとたん、自分でも信じられないような嬌声が迸った。今までせき止められていた分、それは本能に近い叫びだった。
「色っぽい、」
ミロは唇で首筋からバストまで辿り、小さく硬いところを口に含む。
カノンの律動に合わせて、素肌に触れるミロの髪すら、にとっては官能的な愛撫となるのだった。
「どうだよ、想像と比べて」
少し動きを緩め、の奥深くを味わうようにしながら、カノンはいつもの軽い口調で聞いてきた。
はぼんやりとカノンの顔を見る。ミロがすぐ近くで笑っていた。
「こんな詳しい想像は、してない・・・」
熱い息がからむから、喋るのすら億劫だ。
途切れるような言葉を聞いて、カノンはニッと笑みを深めた。
「ホント正直で可愛いよ、お前は」
急に速めると、はまた甘い声を出した。
「早くしろよ」
さすがに焦れたか、ミロに急かされる。
「っせーな」
・・・想像などしていたのは、本当はカノンの方で。
友達をやっていながら、ずっとそんな目で見ていた、のことを。
抵抗するのを力で押さえつけて、無理矢理襲ってやろうかと、本気で思っていたくらいだ。
念願かなって始めて踏み入ることのできた未知の領域は、やっぱり最高で、下手に引き伸ばすなんてできやしない。
カノンは思うさまの中を犯し、追い詰めて、そして自分自身を解放した。
「」
脱力した体に満足な休憩も与えられず、ミロに抱き起こされる。
「俺はこの方がいいな」
四つんばいの格好をさせられ、またいきなり挿入された。
先ほどで十分敏感になっている全身が、総毛立つように反応する。
熱がもっと上がる。
「・・・キツいくらい小さいのな、の中」
の背に覆い被さるようにベッドへ手をつき、頬や耳にキスを散らした。
「奥まで入った・・・俺で感じてくれよ・・・」
「あ・・・もう、感じてる、よ・・・」
切なそうな声に満足を覚える。ミロは再び体を起こすと、ゆっくりと、動作を始めた。
「俺も、してくれ」
カノンがの前に来る。
求められるままに手を伸ばした。顔を近付け、口で咥える。
「うまい?」
「・・・うん」
「嘘つけ」
カノンは笑っていたけれど、これもやっぱり偽らざる言葉だった。
淫らな名残すら、今のには扇情的な味だから。
だけれど、ミロのくれる多彩な刺激に声を上げ、ついお留守になってしまう。とうとうカノンに頭を押さえつけられた。
「ちゃんと責任取れよ、お前がこんなにしたんだから」
言われて今度は舌を這わす。
全ての快楽を享受しようとしているの、淫奔で美しい裸体を挟んで、男たちは互いに笑み交わす。それは一瞬間に過ぎなかったけれど、今生まれた奇妙な絆を確かめ合うような、いわば共犯者のような、笑みだった。
気持ちはさておいても、の魅力に惹かれ、抱きたいと邪な欲望を持っていた。二人が二人とも同じだと、探り合いのうち露見して、それならいっそ三人で・・・なんて盛り上がっていたのだが、こんなにうまくいくとは。
何より、がこんなに歓んでくれているのが、嬉しかった。
「もう、ダメだ・・・」
「俺も・・・っ」
その体で追い詰められ、ミロもカノンも行き着いてしまう。
「や・・・あああ、んっ」
同時にも気をやった。
「また想像したくなったら、呼べよ。もっともっとすげぇコト、してやるから」
「何だったら、恋人として付き合わないか」
「ドサクサに紛れて何言ってんだよ、ミロ」
あれだけ激しくした後に、元気だな・・・とけだるく思いながら、ベッドに横たわったままのは二人の会話をただ聞いていた。
次はどうするとか、これからは、とか、今はまだ考えられない。
すごく良かったから、それでいい、という満足感だけだ。
羞恥心も背徳感も何もないのが、自分ながら不思議だった。
「」
「黙ってないで何か言えよ」
両脇にそれぞれ身を横たえてくる。挟まれて軽く触れられたり、キスをされたりしているうちに、また呼び起こされてしまう。男たちだけではなく、も。
徐々に激しくなって、きっとまた、欲しくなってしまう。
しばらく、離れられないのかもしれない。この二人から。
そんな予感がした。
・あとがき・
しばらく離れていたんですが、こんなエロエロ。やっぱり急に書きたくなるときが来るのね。
今ちょうどダブルキャラドリームリクやっていて、この二人にも票が入っているので、決定しました。エロ以外に何もない、ただただこれだけ、という話、たまに書きたくなるんだなあ。
本当は車で移動する前まで、カラオケのシーンで書きたい部分は書ききってしまったので、最後まで書くのはちょっぴり面倒だったんだけど、いざ書き始めたらやっぱりのってしまいました(笑)。
Hシーンの表現はいつも色々考えます。そのものズバリを言い表さず、露骨すぎないように、でもいかにしてドキドキな濡れ場を書けるか、と。
まあ私だけのこだわりなんですけど。
人によっては、「十分露骨だ」と感じるかも知れませんしね。タイトルはCHARAですが、本文に一言も出てきません。
でも間違いなくHeavenですよね(笑)。
H17.10.12
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