明日はどうだろ。
闇の中重なるシルエット、二人の吐息も絡み合って−。
「なぁ、」
のしかかってきて、秘められた場所のその奥、熱く甘い場所を求めながら。
「俺のこと、愛してる?」
もしそこに真剣さが少しでも含まれていたなら、殴っていたろうけれど。
アイアコスの口調は、いつもふざけているから。
「ん・・・愛してるよ」
は同じほどの軽さで答えた。
「今は・・・今だけは、ね・・・だって、アイアコス、すごく・・・イイもん・・・」
弾む息の合間に。
「・・・でも、明日はどうだろ。明日のことは知らない」
性感のはざまで、目を合わせる。
言葉くらいに冗談っぽく、でも揺るぎのない瞳に、アイアコスはわずか微笑んだ。
「それでいいよ」
キスをする。唇だけではなく、色んな場所に、口づける。
「俺、変わらないモノなんかに興味ない」
強い力での身体を引き起こし、交わりの体勢を変化させた。
「、これが好きだろ?」
「やあぁ・・・」
一番弱いところを集中してせめられる。
強制的に感じさせられているような理不尽さにますます高まり、意識すら混濁しかけ・・・。
でも、確かに、これが好き。
目の前の人は、最高の感覚をくれる。
「ふぁ・・・アイアコス・・・やだっおかしくなる・・・」
頭を振るから髪が乱れて、余計に色っぽい。
汗で額や首筋にはりついて。
「いいよ、狂っちゃえ」
柔らかな肌に手と唇を添え、共に導いてゆく。
「行こっか、エリシオンに」
休みなく激しく続けて。
しなり震える女の体と、トーンがどんどん上がってゆく声に、自らの暴走を止められなくなる。
「・・・・・・」
前倒しで行き着きたくなる。
「俺から離れられなくなるだろ?」
軽いキスをうるさがって、手で払いのける。
「うぬぼれないでよ。明日は知らないって言ったでしょ」
体の熱もさめてはいないだろうに。
「って俺ごのみのイイ女」
新鮮で、刺激的。
そう、変わらぬものなどない。
明日は誰にも分からない。
だからこそ。
「今、愛してくれるなら、俺はそれでいいよ」
「・・・アイアコスのカラダはスキよ」
未だ体の芯は乾きもせず、くすぶったままなことを自覚している。
「じゃあ、もう一回な」
いい気になってまた覆い被さってくるアイアコスを、今度はも止められない。
求めているのは同じだから。
二人がぴったり合わさっているのを感じる。
この刹那、愛し合っているという真実に、互いの体は気付いている。
明日は別の男に抱かれているかも知れないけれど。
・あとがき・
冥界キャラを書きたくなって、やっぱり一番好きなアイアコスかな、と。
バス停でバスを待ちながら、ふっとお題とセットで思いついたのがこんな短編でした。ホント短い。
アイアコスっていつもエロエロなので今回は真面目に・・・と思ったのに、やっぱりエロでした。もはやこれは宿命か!?(笑)たまにはちょっとクールなヒロインを書いてみたかったの。
永遠を誓う愛、のようなものを今まで多く書いてきたけど、他方でこれも真実だと思うのです。
シャカも言っていたではないですか。諸行無常なのよ。
留まっているものなどない。変わらぬものなど一つとして。
それを知っているからか、アイアコスもちゃんもなんかドライでクール。
明日はどうか分からないから、今を大切に、ということでもありますが。でも、儚い命の中で、貫けるものがあれば素敵だなぁと私個人としては思うわけです。
夢とか理想とかじゃなくて、それを永遠と、呼んでもいいんじゃないかと。永遠と刹那−。
変わるものと、変わらないもの。
まだまだよく分かってなくて、これから追究していきたいなぁ、というテーマです。
H15.12.26
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