青の薔薇
「青の薔薇を、見せてあげる」
そんな言葉で、夜に誘ったのは、そろそろ『友達』という曖昧なラインを越えてみたかったから。
双魚宮脇の薔薇園に、はふわりと降り立った。踊るように。
「素敵・・・青の薔薇って、このこと」
しっとりとした情感こもる彼女の言葉にすら、薔薇はさざめき、青と白の繊細なグラデーションを織り上げる。
そう、生まれたての月の雫を受け、一面の白薔薇は青に染まる。
こんな夜に、彼女を感じたかった−。
「薔薇は、手をかけただけ美しく花開いて応えてくれる・・・こんなふうに」
そっ、と彼女の隣に降りて、中の一輪に手を伸ばす。青い花弁は、アフロディーテの指先で、小さく震えていた。
「人の心は、そんなふうにはいかないかな。・・・」
白いワンピースも青に浸って、その裾が揺れる。花びらと同じように。
「アフロディーテ」
腕の中に抱き寄せられて、息が止まる。
身動きを取ろうとする直前のこと、切ない声がこぼれ落ちた。
「本気だから、拒まないで」
甘い、痺れ。そっと顔を上げる。
月の下で薔薇の中で、彼は芸術的なほど美しかった−その名のように−。
「・・・、君を愛してる」
美と愛とを冠する通り。
「アフロディーテ」
薔薇の香りがむせ返るようで。
その魔力に侵されたかのように、ふわり身を委ねて。
キスは唇だけじゃなく。
夜風は素肌に心地よくて。
離れないで、一つになる。
青の薔薇が、暁に染めかえられるまで。
・あとがき・
単純なかづなは、初めて100題を見たときに、やっぱり単純にこのお題でアフロディーテを連想していました。
薔薇といえばアフロディーテだもの! これは決まりね!
ということで、初のアフロディーテ単独ドリームです。短いけど、詩のようにロマンティックに。こんなドリームが彼に似合ってると思う。魚座といえば、ロマンチストって即思い浮かべてしまいます、私。しかしアフロディーテって、リアルタイム時はアニメのイメージが強力で、私らの中ではお笑いキャラだったなぁ。もちろん嫌いではなかったけど。
でもオリキャラでアフロディーテの恋人って作ってて、ラブストーリィもちょっと書いていた気がする。何故だろう(笑)。昔、聖闘士星矢ごっこでイトコたちと遊んでいた頃、オリキャラもたくさんいましたがオリジナルの小道具もありました。その代表的なものが「クリスタルローズ」。
アフロディーテの薔薇のひとつで、解毒の作用があるという、淡いコバルトグリーンみたいな綺麗な色の薔薇。当時そんな色の造花が売っているのを見つけて、「これはクリスタルローズ」と言って部屋に飾っていたなぁ。もちろん遊びのときにはそれを使っていた。
・・・いや、何となく思い出しただけ。前の青森県知事が、「青い薔薇の開発」という事業を推進していたらしい。新しい知事に代わったとき、その事業を事実上なくすということで新聞に載っていて、それで初めて知ったんだけど。
何考えていたんだろう。青森県だから青い薔薇なの? この不景気で貧乏県なのにそんなのに金使ってる場合じゃないと誰もが思うでしょ。
前知事曰く、「政治にはロマンも必要だ」だそうだけど(笑)。
・・・いや、これも何となく思い出しただけ。このドリームに全然関係ないことばっかり書いてるな私。
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