BAB
ぬるめのシャワーを勢いよく出して、頭から浴びる。
水音の中ぎゅっと目をつぶり、は今日一日の仕事ぶりを思い出していた。
(ああ、また私ったら・・・)
手際の悪さや信じられないような勘違い、持って生まれたそそっかしさなどが災いし、毎日何かをやらかしてしまっている。
冥界三巨頭のひとり・・・つまりかなり偉い地位・・・そのアイアコス様に秘書として仕え始めてから一週間、こんなことではいつリストラに遭っても文句は言えまい。
幸いアイアコスは大らかな上司で、の失敗を笑って許してくれてはいたけれど。
(いつまでもそうじゃないだろうし。職を失ったら、私、どうしよう)
ブルーなため息を落とす。シャンプーのボトルに手を伸ばしたそのとき、大きな物音がした。
心臓を揺さぶられた心地で、恐怖に引きつった顔を振り向ける。
は声も出せなかった。
シャワー室のドアは開け放たれ、そこに人が・・・しかもほとんど裸の男の人・・・しかも、それは上司の・・・。
「アイアコス様!? あっ・・・」
「ゴメンなびっくりさせて」
絶句するにアイアコスはいつもの笑顔を向ける。それはこの状況にまったくそぐわない、飄々とした態度だった。
「−いやっ!」
玉の肌を隠すものなど何もない。は両手で胸を覆いながらしゃがみ込んだ。お湯が休みなく頭を身を打ち流れ落ちるが、気にしていられない。
「そんなに怖がるなよ」
アイアコスはとうとう足を踏み入れ、ドアを閉めた。手を伸ばし、栓をひねる。
キュッ、と音がした後は、小さな空間に静寂が降りた。
「どうして・・・で、出ていってください!」
ヒステリックに訴える。シャワーのカーテンもなくなった今、は目の前をとても直視できなかった。
「いつも俺のために頑張ってくれているちゃんの、背中を流してあげようと思ってさ。ホラ立って」
やや強引に腕を引く。
「いやっ」
つんのめるように起き上がったを胸に抱きとめ、有無を言わさず口づけた。
いやいやと首を振ることで逃げ出そうとするのを、囁きだけで封じ込める。
「俺の言うことを黙って聞けよ。そうすれば、ずっとそばに置いといてやるから」
「・・・」
見上げる、黒い瞳。言いなりになることなど当然だと、傲慢なまでの。
そして、に選択肢はない。
「アイアコス様・・・」
涙は水滴に紛れ、震えながら二度目のキスを受けた。
「キレイだな、の体」
からかいを含ませ、思うままにする。
ボディソープの泡にまみれさせて、まずは手と言葉で凌辱を始めていた。
ぬるぬる全身を撫でながら、幾度もキスを与える。
「・・・は・・ぁ」
唇を離すと、艶めいた声がこぼれた。
髪からひっきりなしに水を滴らせ、潤む瞳であらぬ方向を眺めているは、ひどく淫らで可愛らしい。
「もう、その気かよ」
胸の膨らみを弄んでいた手が、するりと下がって、隠された場所へ侵入する。そこは泡とは明らかに別のものにより、熱くなっていた。
「初めてじゃないんだなお前。ちょっと残念だけど、ま、その方がお互い楽しめるか」
反応からの体の経験を知り、こんな独り言をこぼす。そしてアイアコスは、を後ろに・・・シャワーの据え付けてある壁側に向けた。
「もっと遊んでやるつもりだったけど、もう我慢できない。入れたくなったよ、のココに」
「あっ!」
言葉と同時に指で刺激され、思わず声が出る。支えるものが欲しくて、シャンプーなどを置くための小棚に手をかけた。背後からあちこちにキスをされ、また体が反応してしまう。
「も欲しいんだろ?」
ぼーっとした頭で、ただ頷く。
「欲しいです・・・アイアコス様」
自分の声なのに自分のものではないように、湿った狭い部屋に響いた。
「何も知らない子かと思っていたのに。こんな慣れているとはな」
残念というより楽しげなのは、その方が断然アイアコス好みだから。
「じゃ、もっとこっちに・・・」
腰を掴まれる。後ろに突き出す形になったところに、突き入れられた。
「−あ!!」
息も止まるような圧迫感に、体の芯が痺れる。容赦なく動きを加えられ、自分の体を支えているのもやっとなくらいに狂わされた。
「アイアコス様・・・ダメぇ・・っ」
泡が震える。弾けて消える。
「後で俺のとこ来な。もっとゆっくり可愛がってやるから」
は返事をしなかったけれど、聞くまでもない。
しばらくは楽しめそうだと、上機嫌でアイアコスは引き上げた。
ぽた、ぽた、と音を立てて。
水滴が、一定の間隔でこぼれ落ちる。
濡れたシャワールームにぺたり座り込んで、一人残されたは熱いため息をついた。
言い知れない歓びを植え付けられた体は、簡単に鎮まりはしないだろう。
きっとまたアイアコスに身を任せてしまうであろう自分の姿を予見し、ただ、陶然とするのだった。
・あとがき・
エロエロですね。
しばらくドリーム書く気が失せていて、久しぶりに浮かんだのがこんなエロエロ。
そしてこういうときのキャラってやっぱりアイアコスなのね。
ジャンプでアイアコスの顔が出たときに一目ぼれした私が、その性格も何もよく分からないうちから早速自作の小説に登場させたときに、私の中でのアイアコスが決定してしまったみたい。
思い切りセクハラだよー自分の立場を悪用して女の子に言うこと聞かせるなんて。
でも、個人的には権力のある男に迫られるというのが好きだったりします。
エロジジイだったら絶対にイヤだけれど、アイアコスなら許す!
シャワールームやお風呂で、というのは、定番ですので一度書いてみたかった。「水」ってだけでエッチです。淫靡です。
最初、恋人同士でも何でもないのに、一体どういう経緯でアイアコスがちゃんのシャワーに乱入するんだ? という点についてかなり考えたんだけれど、思いつかなかったので理由も何もなしに押しかけさせました。まったくヒドイ上司です。
なんだか愛がないので裏的。遊ばれているだけのドリームってどうなんだ?タイトルは昔のアイドルのアルバム名からです。
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